DVD/第25回 江津市 石見神楽大会 上巻
石見神楽は島根県西部石見地方に伝わる伝統芸能であり、豪華絢爛な衣装や勇壮な舞、小気味良い囃子を特徴とし、石見地方では秋祭りや各種イベントなど年間を通して上演される石見地方特有の神楽である。
起源については諸説あるが、室町時代には既に演じられており、江津市桜江町一帯に伝わり1979年に国の需要無形民俗文化財に指定された大元神楽がその起源と言われている。古くは神職によって奉納される神事であったが、明治時代になると、神職演舞禁止令が発せられ、神楽は神職から土地の人々に受け継がれることとなる。神職の手を離れた事により次第に舞いは簡略化、改変され、俗的なものとなり乱れていったが、後に事態を危惧した国学者らの手により、明治・昭和と2度の神楽台本の改訂が行われ、乱れた神楽は気品を取り戻し、現代に伝えられる石見神楽の形となる。その後1970年に大阪で開かれた日本万国博覧会での「大蛇」の上演を機に広く国内外に知られることとなった。
石見神楽は大別すると石見神楽の原型と言われる六調子神楽と石見人の気質に合わせ変化したテンポの早い八調子神楽に分けることができるが、その表現は地域によって微妙に異なり、またその変化は石見神楽の伝播の経路と地理的に重なり、各土地毎の神楽の違いを楽しむことができる。
上演される演目については神事的な儀式舞をはじめ、古事記や日本書紀などの神話を題材とした演目を中心に、各地に伝わる民話や伝説を題材とした各団体のオリジナル演目を加えると50を優に超える。また、その中でも、演目「岩戸」として伝えられている、天照大御神の天の岩戸隠れで「あめのうずめのみこと」が舞ったのが神楽の起源とされている。
江津市石見神楽連絡協議会
江津市石見神楽連絡協議会は、地元に古くから伝わる伝統的郷土芸能「石見神楽」の継承発展を目的として、平成7年に結成し今年で25年を迎えることができました。
これも、ひとえに皆さまのあたたかいご支援のおかげと会員一同深く感謝しています。
この25年、石見神楽大会の開催をはじめ後継者の育成、江津市の観光資源として県内外への石見神楽上演など、地域とのつながりを 大切にしながら江津市の地域振興にも積極的に取り組んできたところです。特に今年は、日本遣産として認定される中、5月には国が進める「ロシアにおける日本年」の最後の大型行事としてウラジオストク市、ナホトカ市の2つの市で石見神楽の単独公演を行い島根県、江津市をPRすることができました。また、来年1月には東京ドームでの「ふるさと祭り東京2020」、そして東京国立博物館で開催される〜日本のはじまりここにあり〜をテーマにした「日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和」にも石見神楽の上演が予定されています。
日本遺産に認定されたことを機にますます石見神楽を上演する機会が増えてくることが予想されています。当連絡協議会では、地域に根ざし、地域の人と暮らす中で育まれてきた石見神楽の歴史をこれまで以上に大切にしながら、「石見神楽は奉納神楽」の基本を忘れず、イベント神楽とのバランスをとりながら、石見神楽の継承と発展のため精進してまいります。
収録内容
DISC.1:鍾馗・八幡・岩戸
DISC.2:人倫・神武・杵
演目
上巻・DISC.1
「鍾馗」 有福温泉子ども神楽団
「千早ふる荒ぶるものを払わんと出で立ちませる神ぞ貴き」中国の玄宗皇帝が病に伏している時、夜な夜な夢に疫神が現れ皇帝を苦しめていたが、鍾馗大神が茅の輪と宝剣でこの疫神を退治したという神楽。病魔退散、息災延命、家内安全を祈願する神楽である。一神一鬼の舞であるが特に重厚な舞であることから一番の花形の舞と言われている。
「八幡」 川平神楽社中
この神楽は、武勇の神、八幡宮の祭神である八幡麻呂を讃える神楽である。九州豊前の国、宇佐八幡宮に祀られている八幡麻呂が、異国から飛来して人々を殺害している第六天の悪魔王のことを聞き、自らが出向いて「神通の弓」と「方便の矢」をもって退治するという神楽である。
「岩戸」 谷住郷神楽社中
天照大御神が弟神である須佐之男命の度重なる悪業に困り、天の岩戸にお隠れになると高天原は常閤になってしまい、これにより万の災いが起った。八百万の神々は集い思案をし、天の岩の前でかがり火を焚きあげ、長鳴き鳥を鳴かせ、天の字津名の命が神遊びをすると天照大御神が岩戸をわずかに開けた。その時、手力男の命によって岩戸が押し開かれ、世の中が明るく平和になった。天照大御神の岩戸隠れの神話を神楽化したもので、古事記、日本書紀、特に古語拾遺を主軸に、天照大御神の御神徳を讃え、また祭事及び神楽の起源を語ろうとするもので、石見神楽に中でも最も神聖視されている演目である。
上巻・DISC.2
「人倫」 嘉戸神楽社中
人皇第14代の帝、仲哀天皇は、異国から数万の軍勢が日本に攻めて来た時、自らが兵を従えこれを迎え撃った。この中に、塵輪という身に翼があり黒雲に乗り神通自在に国々を駆け巡って人々を殺す大悪鬼がいた。天皇が自ら「天の鹿児弓」と「天の羽々矢」をもって、この大悪鬼を打ち取るという神楽である。二神二鬼の迫力あふれる舞いが石見神楽の代表的な演目として有名。
「神武」 松原神楽社中
「はるばると ここも鞍馬の山々に 超えて大和に いざや急がん」神倭磐余彦命は、九州日向の国高千穂から良き土地を求めて海路で東へと向かい、瀬戸内・難波を経て紀伊に上陸し大和を目指した。しかし、そこへ大和の生駒地方の豪族、長髄彦の一党がおり戦いとなり大激戦の末、勝利を得た命はやがて大和地方を平定し、畝傍山の麓に都を定め神武天皇として即位する。建国の基礎を築かれた史語を神楽化したものである。
「杵」 大都神楽団
わが国の農業の起こりを説いた神楽。須佐之男命に殺された大気津比売神(おおけつひめのかみ)の体より出た五穀の種(粟、稗、麦、豆、稲)を集めて天照大御神に捧げたところ、大御神は大変喜び、人々の朝夕食べて 生き延びるものとして、植え広めるよう言う。天熊が万穀の種を授かり、村君に作り方と、桑を植え蚕を飼育するように教える。 村君はこれを人民に伝え、二人は力を合わせて鋤、鍬をもって荒野を耕し、種を植え、収穫した。そこで、新嘗祭を行うため、神禰宜を呼び、餅をつくという神楽で、五穀豊穣を祈念するものである。
鍾馗
八幡
岩戸
人倫
神武
杵
撮影:2019年11月24日(日)
島根県江津市 江津市総合市民センター
発売月:2019年12月
DVD2枚組/カラー/上巻2枚計219分 リージョンフリー/16:9/片面1層
主催:江津市石見神楽連絡協議会
製作:石見工房
広告文責:株式会社エイチ・ケー・アール 043-233-6953