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収録内容
【第1巻】伝統を継承しさらに深みを増す「基礎練習」(123分)
聖出雲一中の基礎練習は「老舗のうなぎ屋のたれ」に例えられます。
先輩たちが築き上げてきたものに溶け込み、さらに深みを増していくものだからです。
基礎合奏では伝統的に引き継がれている練習パターンで、コンサート・ミストレスを中心に練習を進めています。
段先生が着任された年は、顧問が中心になって指導するスタイルを踏襲していましたが、
「生徒たちで考えながら活動する事でつけられ力があるのではないか」と考え、今の生徒主体のスタイルになりました。
また、ブレストレーニングと打楽器の基礎トレーニングも生徒主体で行う練習パターンを紹介しています。
■はじめに
■生徒主体の基礎合奏
出雲一中で伝統的に引き継がれている練習で、ティップス、JBCバンドスタディ、3Dバンドブックのものを織り交ぜながら使用しています。ここでは、コンサート・ミストレスを中心として進める出雲一中の基礎合奏の練習パターンを紹介しています。
◎チューニング
まず木管から、次に金管で。正しいアンブシュアに気をつけて行う。
演奏中に発生する「うなり」を消すために行う
◎ユニゾン
ユニゾンの音程の感覚をそろえるためにティップス7番を行う。
ブレスの取り方などに注意して行う。
◎ロングトーン
基礎合奏の中でロングトーンを練習することで、息の使い方を身に付ける。
周りの音を聴きながら前に出たグループの音に近づいたりすることにより、ブレンドしたサウンドを育てることができる
・Aグループから重なるロングトーン(1)[B♭音からF音まで半音ずつ下降]
・16拍のロングトーン[F音からD♭まで半音ずつ下降]
・Aグループから重なるロングトーン(2)[D♭音からB♭音まで半音ずつ下降]
◎ひろせまのスケール
自分の中にある正しい音程感覚のものさしをつくるために行う練習で、ユニゾン練習では鍛えることができない
正しい音程の階段を全員でつくることができる。
全音と半音の音の幅を歌う⇒マウスピースで演奏⇒楽器で演奏、という順に進める
◎リップスラー(金管を中心とした練習)
リップスラーは、金管奏者にとって唇の柔軟性を作り、音をつくるための重要な練習
◎インターヴァル(木管を中心とした練習)
木管楽器のアンブシュアの柔軟性をつくるための練習で、木管がインターヴァルの練習を行い、金管がハーモニーを演奏する
◎音階練習
発音処理、音と音の音程感覚をそろえるための練習
ひろせまのスケール練習で身につけた音程感覚を確認するための練習
◎クールダウン(コラール)
コラールの練習は、フレーズのまとまりや歌い方、ブレス、フェルマータやアゴーギク、ユニゾン、ハーモニー、 各声部バランス、指揮を見ることなど、表現に関する総合的なトレーニング。
■ブレストレーニング
抜き息が入り易くするためのトレーニングや腹式呼吸の練習、楽器をイメージして行うブレス練習などを紹介している。
◎肩甲骨のストレッチ
◎腹横筋のトレーニング
◎大きいブレス
◎ブレス練習
■打楽器の基礎トレーニング
生徒主体の基礎合奏の間に打楽器セクションが行っている練習メニューで、セクションリーダーの説明を交えながら、指・手首のトレーニングや練習台を使った様々な技術トレーニングを紹介しています。
◎指のトレーニング
◎手首のトレーニング
◎大仏の耳
◎伝言ゲーム
◎16分音符リレー
◎2つ打ち
◎リズム打ち
◎3連符
◎6連符
◎アクセント
■段先生による基礎合奏
ここからは、基礎合奏と楽曲合奏とをつなぐのりしろとして、段先生による指導でリズム・ハーモニーとトレジャリー・オブ・スケールの練習と、基礎合奏内容や進め方について紹介しています。
◎基礎合奏について(段先生へのインタビュー)
・出雲一中での基礎合奏の内容や進め方、留意点などについて
◎リズム・ハーモニー
ティップス7番を演奏させ、バンドのその日の状態を把握した後で、4分音符、8分音符、3連符、16分音符(テヌートとスタッカートで)の順で演奏する
◎トレジャリー・オブ・スケール
音階は全音符で演奏され、リズムの要素をなくすことで「音を聴く」ことに神経を集中させる。
正しい調性感を、耳を通して体得するのに効果的。
<段先生・コンミスへのインタビュー>
◎段先生へのインタビュー
・生徒主体の基礎合奏を実現するためには
◎コンミスへのインタビュー
・今日の基礎合奏を振り返って
・生徒主体の基礎合奏でコンミスとして気をつけていることは?
・出雲一中の魅力は?今年の目標は?
【第2巻】いくつもの音色から音を選ぶ「楽曲練習」(105分)
楽曲練習では、色の数を出来るだけたくさん持つように、そして自らたくさん選べるように、そういった種蒔きのような指導を行っています。
ここでは、「元禄」を用いた通常の曲づくりの練習と、「インテルメッツォ」を用いての、譜面を渡したばかりの曲指導を紹介しています。
段先生の指導の土台は、大学時代の声楽のレッスンにあり、その時に学んだフレージング、響き、音楽作りが根本にあります。歌声で伝える楽曲指導の実際をご覧いただけます。
■楽曲練習「元禄(櫛田てつ之扶)」〜歌声で伝える楽曲指導の実際〜
現在部員数を考慮し、曲の編成が今のバンドに合っている「元禄」を紹介します。スコアがすっきりしているので、この曲の中で基礎的なことや歌い方など伝えられるものがたくさんあります。色の数を出来るだけたくさん持つように、そして自らたくさん選べるように、そういった種蒔きのようなことを行っています。
・ある部分に当てはまる言葉を考え、そのイメージ・ニュアンスで演奏してみる
・指導者が歌声で音(音楽)のニュアンスを伝える
・音色を選べることができるようにする
・フォルテピアノの捉え方について考える
・全音符の楽器と動く楽器のバランスを考えて演奏する
・同じ息のスピードの中に指が動くように、息を使って歌う
・ディクレッシェンドを自然に聴かせるためには意識して作る
・ベルトーンの演奏の仕方
(段先生へのインタビュー)
・楽曲「元禄」の選定理由と指導の内容について
・生徒の意見に対する評価について
■楽曲練習「インテルメッツォ(保科 洋)」〜譜面を渡したばかりの曲の指導〜
譜面を渡したばかりの時や、本番までに時間がない場合の基本的な指導の手順について紹介しています。全体をザッと通し、どこかの部分だけを作っておくことで、他は応用してその雰囲気で演奏できるようになります。
・時間をかけないで譜面を読み、あまり出来なくても1〜2回通す
・練習記号ごとに確認していく
・全部の音が全部聞こえる状態をつくり、そこから、バランスや音色、ブレンドなどを考えていく
・同じメロディーを持つグループごとに分けて練習する
・全体で演奏しダイナミクス、テンションを確認する など
■終わりに
2017.6